木々生い茂る今帰仁を後にする。
濃い緑がDOMANIの車窓を流れていく。
これから向かう先。金武(きん)町。
東京で決めたプランでは、最終日はブランクにしてあった。
案がなければ「美ら海水族館」でいいかな、って思ってたくらい。
けど、去年2回行ってるし、一人で行くにはちょっとせつな過ぎる。
昨夜の酒盛り。
M「明日、飛行機までだいぶ時間あるんでどっか行きたいんですけど
オススメの場所ってありますか?」
Y「う~ん。お菓子御殿とか?」
M「スイーツ嫌いじゃないですけど、ちょっと・・・」
Y「じゃあ、泡盛貯蔵してる鍾乳洞とか?」
M「なんですとぉ!!!?」
という事で、泡盛+鍾乳洞というオトコゴコロくすぐりまくりの場所へ
向かうことに決定。
金武町、お寺さんの近く、基地の先というアバウトな情報だけを頼りに
またも金武町のある太平洋側へサイドチェンジ。
途中、実弾使用可能な金武町の基地を横目に走る。
この町もまた、広大な土地を米軍基地に費やしている。
最近あった米兵による虐待事件の現場もここだ。
まだ精神的に未熟な、10代の少年達が危険なオモチャを持たされている
という状況に、少しだけ眉間にしわ寄せてみる。
・・・と、物思いにふけっていたりいなかったりしている間に行き過ぎてしまう。
コンビニで正式な場所を聞き、来た道を戻る。
鍾乳洞 古酒蔵。
永酒堂と名付けられたここが、今日の目的地。
鍾乳洞のチケットを購入し、いざ地底へ。
立っているだけでじっとりと汗をかく7月の気候が、ほんの少し洞窟へ入った
だけで空気が変わる。
まとわりついていた熱気がなくなり、ひんやりとした空気が肌に張り付く。
少し湿った床を、気をつけながら地下へと進んでいく。
まず目に付くのは、巨大な貯蔵タンク。
タンクの横をすり抜け、更に進むと次に一升瓶の林が現れる。
一升瓶にはそれぞれ、住所、氏名、訪れた日と、コメントが書いてある。
チケットを売ってくれたおばちゃんが言っていた。
「一升瓶についてるコメント、見ておいで」
なんのことやらわからなかったが、こういうことなのか。
ここにある一升瓶は、鍾乳洞を訪れた人たちが自分の泡盛を預けさせて
もらっていて、いつか泡盛が自分の手元に届いたときに読む、つまりは
タイムカプセル的なものなんです。
「俺さ、沖縄の鍾乳洞に泡盛貯蔵してるんだぜ。」
「5年後に熟成された泡盛が届くんだ。」
「え?わからない? つまり、5年後も一緒にいようぜってことだよ。」
とか、ヘンな妄想が一瞬で頭を駆け巡る。
買いです。